200メートル
突然 爆音が背中を刺した
200メートル後方で 風景が飛び散った
一瞬にして 夕暮れ時の雑踏が 炎の中で のたうち回った
歪んだアスファルトの上に
腸を食いちぎられた無数の夢の残骸が 無造作に横たわる
血だらけになった放心状態の若い母親は
赤ん坊と一緒になって 泣き叫ぶ
パパラッチに変貌した野次馬たちが
携帯電話を振りかざして スクープ映像に群がった
時代の演出者たちにとって
何億万分の一の確率のアクシデントは 当然 想定内のことで
命を金に換算して 無理矢理イコールにしてしまった
200メートル後方で‥‥‥
お決まりの出演者たちは テレビカメラに向かって
マニュアルどおりの 涙なみだのパフォーマンスを繰り返す
