白い布団

   昼飯前の始発駅

   空きっ腹列車でのんびり缶ビール

   遠くの山脈の残雪が溶けて

   君のコンタクトレンズの上で笑った

   菜の花畑の渦の中で

   君は真剣な表情で叫んでいるのだけど

   僕はすっかり良い気持ちになってしまって

   いつの間にか動き出してしまっていた景色の中に

   あんなに大切だった君の姿を簡単に見失ってしまった

   渓流と段々畑の合間を縫って必死でたどり着いた

   無数のちぎれた会話が

   一瞬のうちに青空に飲み込まれてしまった


   白い布団が線路の両手一杯に干してあって

   数え切れないくらいの子供たちが

   力いっぱい陽気に手を振る   

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「詩集 たからさがし」より
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